短編映画祭「SSFF」開幕-米在住・新鋭日本人監督作を「逆輸入」上映

映画「ハーフケニス」より。公式コンペ「ジャパン部門」からの出品で受賞を目指す ©Ken Ochiai

映画「ハーフケニス」より。公式コンペ「ジャパン部門」からの出品で受賞を目指す ©Ken Ochiai

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 原宿・表参道エリアなどで6月4日に開幕したアジア最大規模の短編映画祭「ショートショートフィルムフェスティバル(SSFF)2009」で、26歳の新鋭監督、落合賢さんの最新作「ハーフケニス」が公開される。

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 12歳から映画を撮り始め、高校卒業後に渡米。ジョージ・ルーカス監督らを輩出した名門・南カルフォルニア大学映画製作学科に80倍の難関を突破して入学するなど、「映画作り」に打ち込んで来た新鋭監督が挑んだ短編作の舞台は、第二次世界大戦中にあった日系アメリカ人の強制収容所。国内外の話題作が集まる公式コンペティションでの上映で、受賞にも期待が高まる。

 1983年、東京生まれの落合さんは青山学院大学高等部を卒業後に渡米し、大学卒業後は政府がアメリカ映画協会と共同で設立する同協会付属大学院の映画監督学科に23歳の若さで合格。上映する「ハーフケニス」は、卒業制作で自ら脚本も手掛けた短編映画2作のうちの1作。

 大戦中の1943年、収容所で日本人の父親を亡くして脱走した日系アメリカ人の兄弟が、白人の母が住む実家に旅に出るストーリー。「成功したいと願って渡米した日本人移民の『夢』が、アメリカで映画監督をしていきたいと願う僕自身に強く重なったから」(落合さん)と、日系アメリカ人兄弟を主人公にした思い入れを語る。

 同フェスでの上映について、「作品を『逆輸入』するかたちで日本人の方たちに見ていただけるのは本当にうれしい」と話す落合さん。国籍を問わず、ほかの監督や映画製作会社などの関係者と触れ合うことで「次の作品につながるような出会い」にも期待を寄せる。今後はロサンゼルスで短編や携帯コンテンツ、プロモーションビデオなどの監督を手掛けながら、「ハーフケニス」の長編版を含む長編脚本2作の執筆を進めていくという。

 作品は、スリランカ映画「少女の靴」、韓国映画「招待」ら5作がラインアップするプログラムの1作品として、表参道ヒルズ本館地下3階「スペース オー」(6月6日11時15分~)と、ラフォーレミュージアム原宿(同12日13時20分~)で上映する。

 14日には、滝田洋二郎監督ら5人の審査員が選ぶ各賞が決定。最優秀賞受賞作は、来年度アカデミー賞短編部門の選考対象にもノミネートされる。鑑賞料は1プログラムにつき、前売り=1,200円、当日=1,400円。今月14日まで。

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