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渋谷でドキュメンタリー映画「幸せの経済学」-「本当の豊かさ」説く

インド・ラダック地方の人たちを追い「本当の豊かさ」を説くドキュメンタリー映画「幸せの経済学」より

インド・ラダック地方の人たちを追い「本当の豊かさ」を説くドキュメンタリー映画「幸せの経済学」より

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 渋谷「アップリンク・ファクトリー」(渋谷区宇田川町、TEL 03-6825-5502)で5月21日から、インド・ラダック地方の人たちを追い環境活動家たちが「本当の豊かさ」を説くドキュメンタリー映画「幸せの経済学」が公開されている。

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 ISEC(The International Society for Ecology and Culture:エコロジーと文化のための国際協会)の創設者であるヘレナ・ノーバーグ=ホッジさん、ISECのUSプログラムディレクターでスターリングカレッジの助教授スティーブン・ゴーリックさん、ヘレナさんが手掛けた映像作品「懐かしい未来(Ancient Futures)」でプロデューサー兼ディレクターを務めた、ISECプログラムディレクターで弁護士のジョン・ページさんが5年の歳月をかけて完成させた同作。

 スウェーデン生まれのヘレナさんは1975年、ラダック地方が観光客に開放された際に最初に海外から入った訪問者の一人で、言語学者としてラダック語の英語訳辞典を制作。以降、ラダックの暮らしに「魅了」され、ラダックで暮らすことになる。そこに暮らす人々ともに文化や環境を保全するプロジェクトLEDeG(The Ladakh Ecological Development Group)を始め、この活動が評価され1986年には環境保護や人権問題平和などの分野で活躍した人や団体に贈られる「ライト・ライブリフッド賞」を受賞した。

 世界的に広がる近代化は、30年前まで外国人立ち入り禁止地域だったラダック地方にも押し寄せていた。西欧の消費文化は彼らの「伝統的な生活スタイル」を一変させ、自然との関わりを切り離していく。人とのつながりを希薄化させることにより、アイデンティティーや「伝統文化の誇り」までも奪っていき、ラダックの人々は10年後には「(欧米文化に比べ)私たちは何も持っていない、貧しいんだ。支援が必要だ」と訴えるようになっていた。同作では消費文化に「翻弄(ほんろう)」されるラダックの人たちの姿を追い、世界の環境活動家がグローバリゼーションの「負の側面」を指摘し「豊かな暮らし」について説いていく。

 「グローバルからローカルへ」をテーマに、民族紛争や異常気象、多様性の損失、失業など「グローバリゼーションの拡大が引き起こす問題」について触れながら、これらの解決の糸口となる「ローカリゼーション」について語る。消費者型社会を見直し、「地域に目を向けること」によって、その土地にある資源や文化を「再認識」し、人と人、人と自然との関係を紡いでいく「『コミュニティーの再生』の重要性」を訴える。

 鑑賞料は、一般=1,700円、大学生・専門学生=1,400円、シニア=1,000円ほか。6月10日まで。期間中にはトークイベントも開く。

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