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月刊誌「東京人」、24年ぶりに渋谷特集-東横線・副都心線の相直控え

「渋谷ヒカリエ」が表紙を飾る「東京人」3月号

「渋谷ヒカリエ」が表紙を飾る「東京人」3月号

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 3月16日に東横線と東京メトロ副都心線の相互直通運転を控え「渋谷」を特集した月刊誌「東京人3月号」(都市出版)が2月1日、発売された。同誌が「渋谷」をテーマに特集企画を組むのは、1989年11月号の特集「渋谷はいつも今のまち」以来、24年ぶり2回目。

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 きっかけは、渋谷ヒカリエのオープンや東急東横線・副都心線の相互直通運転の開始に加え、「近年、神山町や神泉、松濤など、渋谷駅から少し離れた場所に新しい店などが増え、渋谷において大人復権、という感があるから」と同誌副編集長の田中紀子さん。

 「渋谷100年物語」と題した同誌では、1885(明治18)年に山手線渋谷駅が開設されて以来、「山の手の下町」「米軍の残り香」「サブカルのたまり場」「消費文化の発信地」「若者のまち」など、時代によって街の主役が変わり、さまざまなキーワードで語られてきた100年余りの歴史やカルチャーを振り返るとともに、10年先に大きく変貌を遂げる渋谷駅の未来を展望する。

 主な企画は、若き日の宇崎竜童さんが学んだ「(伝説ライブハウス)ジァン・ジァンという試練」、世界に発信する「カワイイ」、元アクロス編集長・三浦展さん、國學院大学・上山和雄教授、シブヤ経済新聞・西樹編集長による座談会などで渋谷発カルチャー躍進の背景をひも解くほか、「ワシントンハイツの野球場」「コクーン歌舞伎」「90年代の音楽(レコード街)」「ストリート」「花街」など、渋谷とゆかりの深い人々が懐かしい渋谷の記憶を思い起こす。

 そのほか、スリバチ学会会長・皆川典久さんが桜丘町・代官山エリアをバスで行く「微地形散歩」、学芸員・田原光泰さんが案内する「渋谷川の暗渠(あんきょ)」など、フィールドワークの側面から渋谷歩きの楽しさを紹介。さらに再開発が本格化する渋谷駅一帯に関しては、「今日の渋谷駅」を創った五島慶太、石川栄耀、坂倉準三の3人のカリスマの功績を回顧するほか、2026年に完成する「渋谷駅の未来予想図」を写真や図解で紹介する。

 今後の渋谷に対して、田中さんは「再開発は始まったばかりで、計画が完成するまでに10年、15年かかる。その間、広域渋谷圏は、ますます面白く、絶えず新しい刺激が生まれてほしい」とし、「渋谷の強みは、今号のタイトルでもある渋谷の歴史=『100年物語』。今は渋谷にほとんど行かない人でも、通った時期があるかと思う。昔を懐かしむだけではなく、今の『シブヤ』も体感してほしい」と来街を呼び掛ける。

 価格は900円。

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