渋谷ヒカリエで「二代目 市川亀治郎大博覧会」-原寸大歌舞伎舞台も

「一人でも多くの方に見ていただければ」と来場を呼び掛けた亀治郎さん

「一人でも多くの方に見ていただければ」と来場を呼び掛けた亀治郎さん

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 渋谷ヒカリエ(渋谷区渋谷2)9階ヒカリエホールで4月28日、四代目市川猿之助襲名記念「二代目 市川亀治郎大博覧会」が始まった。

実際に上ることもできる実寸大の舞台

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 今月26日に開業した同施設の公式オープニングイベントとして開催。6月に四代目市川猿之助襲名を控える亀治郎さんの「全て」を、軌跡・肖像・宇宙・シアターの4つのテーマでひもとく。亀治郎さんは四代目市川段四郎の長男として誕生。1980(昭和55)年に歌舞伎座「義経千本桜」安徳帝役で初お目見え。1983(昭和58)年に歌舞伎座「御目見得太閤記」で二代目市川亀治郎を名乗り初舞台。2002年には自身の勉強会「亀治郎の会」を立ち上げた。歌舞伎のほかドラマなどにも出演している。

 約1000平方メートルのホールAには、幼少時の写真や絵、通信表、テスト、慶応義塾大学在学中のノートや卒論、これまでの出演作品の写真、台本などの資料、舞台の衣装、扇などの小道具、アートディレクター齋藤芳弘さんがここ5年間撮影してきた亀治郎さんの写真50枚、亀治郎さんがコレクションする浮世絵、陶磁器、自筆の書画などを展示。

 そのほか、亀治郎さんの楽屋を再現したコーナー、フィギュアによる宙乗り、「義経千本桜 川連法眼館の場」(通称:四ノ切)の実際の歌舞伎舞台も展示。舞台は裏側や「欄間抜け」「早替わり」などの仕掛けを見ることができるほか、実際に上がることもできる。

 300平方メートルのホールBは「亀治郎シアター」として、2010年に国立劇場で「第8回亀治郎の会」にて演じられた「義経千本桜 川連法眼館の場」の稽古、早替わりの舞台裏を撮影したドキュメンタリーフィルム(45分)を上映する。ホワイエには「天竺徳兵衛新噺(てんじくとくべえいまようばなし)」に登場する巨大ガマのオブジェを配した。

 併設するショップでは、DVDや写真集、亀治郎さんの写真をプリントしたポストカード(200円)やクリアファイルセット(3枚1,500円)などのほか、澤瀉屋(おもだかや)の家紋を刻印したブックマーカー(6,825円)、亀治郎さんが描いた亀の絵と「Ennosuke IV」の文字をあしらった箸(7,350円)など、仏シルバーウエア「クリストフル」の同展限定商品などを販売する。

 初日開場前にはテープカットが行われた。亀治郎さんは会場を見て、「こんなに大きなものになるとは思っていなかった」と驚いた様子で、「オープニングとしてやらせていただけるのは幸せなこと」と喜びを表現。「私の亀治郎としての最後の姿」とし、「渋谷ではコクーン歌舞伎くらいなので、(歌舞伎に)なじみがないと思う。見たことのない方に興味を持っていただきたいと思いポップな感じに仕上げた。一人でも多くの方に見ていただければ」と来場を呼び掛けた。

 6月には襲名披露となるスーパー歌舞伎「ヤマトタケル」の公演を控える。襲名に関しては「実感はなく本人はケロケロしている。周りの方が盛り上がってくれている」という。同舞台には九代目市川中車を襲名する、いとこの香川照之さんも出演。「やったことないことだから厳しいスタートでしょうね」としながらも、「僕もテレビに出ると緊張して手が震えちゃうので、そういうのを味わってほしい」と激励。「演技にまつわるしきたりや振る舞いなどはアドバイスしている」とも。29日には文化村通りで、亀治郎さんや香川さんらによるお練りを予定する。

 開催時間は10時~21時(一部閉場時間が異なる日あり、入場は閉場の30分前まで)。入場料は、一般=1,200円、中学生以上の学生=1,000円、小学生600円、未就学児無料。5月9日まで。

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