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渋谷の今昔を見比べる写真集「渋谷の記憶」シリーズ、渋谷区が最新刊

写真集「渋谷の記憶IV」。「昭和32年の宇田川町・神南一丁目付近(スクランブル交差点)」が表紙を飾る

写真集「渋谷の記憶IV」。「昭和32年の宇田川町・神南一丁目付近(スクランブル交差点)」が表紙を飾る

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 時代と共に大きく様変わりを続ける渋谷の景色や、人びとの暮らしを記録した写真集「渋谷の記憶IV-写真でみる今と昔」が4月1日、渋谷区教育委員会から刊行された。

1958(昭和33)年の恋文横町の様子

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 「昔の渋谷の古い写真が見たい」という要望に応える形で、渋谷区が2007年に「渋谷の記憶I」を企画。戦後、渋谷駅前広場の上空を行き来きした空中ケーブルカー「ひばり号」が表紙を飾った同号は、当時を懐かしむ人をはじめ、昔の渋谷を知る貴重な研究資料として買い求める人が多く、区刊行の出版物としては異例の増刷が決定したほど。以来、1年に1冊のペースで刊行を重ね、今回でシリーズ4冊目を数える。

 同写真集では見開きページの左側に「現在」のカラー写真、右側に「昔」の白黒写真を掲載し、同じ場所、同じ角度で撮影した時代の異なる2枚の写真を比較できるページ構成が特徴。現在、文化村通りにある大型家電量販店「LABI」が立っている場所には、かつて「恋文横町」があり、中華料理店やバー、古着店などが数多く軒を連ねていた様子や、昭和30年代、新橋町(現在の恵比寿一丁目付近)の街角で移動図書館に群がる大人や子どもの姿、「おかず横町」の雰囲気を漂わせるマークシティー南側にあった「渋谷駅前飲食店街」を捉えた写真など。最新号では街の変遷とともに当時の流行や物価、人々の暮らしぶりを紹介する50組100点が収録されている。

 撮影・編集を手がけた同区郷土資料デジタル化保存推進準備室室長の佐藤豊さんは「今回は建物、風景ばかりではなく、時代の匂いが入ったもの、世相的なものが中心。特に戦後復興を遂げ、東京オリンピックに向けて街が活気づいていた昭和30年代の写真を多く取り入れた」と話す。「広告やファッション、建築など、昔の写真から当時の様子が読み取れる。好奇心を湧かせて見てもらえば、いろいろな見方ができて面白いのでは」とも。

 価格は1,000円。渋谷区役所、白根記念渋谷区郷土博物館、渋谷マークシティー内の「クリエーションスクエアしぶや」などで販売している。

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