ワタリウムで気鋭建築家・藤本壮介さん初個展-「建築空間」も展示

過去のプロジェクトの模型に加えて「アイデアの種」も乱立させた3階展示スペース

過去のプロジェクトの模型に加えて「アイデアの種」も乱立させた3階展示スペース

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 ワタリウム美術館(渋谷区神宮前3、TEL 03-3402-3001)で現在、気鋭建築家・藤本壮介さんの初個展が開催され、会場には「雲」をモチーフに透明樹脂で構成した建築空間がお目見えしている。

「雲」をモチーフにした透明な構造体

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 1971(昭和46)年北海道生まれの藤本さんは、東京大学工学部建築学科を卒業。2000年に建築事務所を設立し、2008年には大小の箱型建築を組み合わせた「情緒障害児短期治療施設」(北海道伊達市)で日本建築大賞を受賞した。

 初個展となる同展のテーマは「建築と東京の未来」。3フロアから成る同館独自の展示スペースをそのまま生かした3部構成で、建築界の「次のステージ」を担う一人として注目を集める藤本さんの考えを複合的に紹介している。

 2階は、パイプ型の透明樹脂を組み上げた構造体による「未来の住居」を展開。フロアを覆い尽くす大型の構造体は「雲」をモチーフにした形状と透明度の高さが特徴で、昼夜によって変化していく構造体の表情も見どころ。

 「普段建築家が考えている思考の連鎖を空間化した」(藤本さん)という3階には、藤本さんが現在までにかかわったプロジェクトの模型に加えて、おにぎりやマトリョーシカなど「アイデアの種」も乱立。4階には表参道や明治通りを含む「青山一帯」と「未来の東京の原風景」を大型模型で表現した。

 会場では、座ったり、歩いたり、腰をかがめたりする来場者の姿があちこちで見られる。同館広報担当の森さんは「夏休み期間中は全国から建築の学生が集まった」と話し、「建築以外の人にとっても、『住む』ことはみんなの日常につながっていること。生活の視点を変えてくれる展示」と紹介する。

 関連企画として、同館近くの「建築家会館」(神宮前2)などで藤森照信さん(9月24日)、伊東豊雄さん(10月7日)、妹島和世さん(同31日)、磯崎新さん(日程未定)ら著名建築家を招いたレクチャーも予定する。要予約。

 開館時間は11時~19時(水曜は21時まで)。月曜休館(9月20日、10月11日は開館)。入場料は、大人=1,000円、学生=800円ほか。11月28日まで。

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