渋谷で「浮世絵百華」-重要文化財から「団扇絵」まで幅広い浮世絵を紹介

重要文化財「初代市川團十郎の暫」(画=鳥居清倍、1701年ごろ)

重要文化財「初代市川團十郎の暫」(画=鳥居清倍、1701年ごろ)

  • 0

  •  

 重要文化財など良質な浮世絵を集めた大型企画展「浮世絵百華 平木コレクションのすべて」が現在、「たばこと塩の博物館」(渋谷区神南1、TEL 03-3476-2041)で開催されている。主催は同館と中央大学(八王子市)、平木浮世絵美術館(江東区)。

[広告]

 浮世絵の名品を数多く出品する前期「これぞ浮世絵!平木コレクションの優品・名品・稀品」(~12月13日)と、浮世絵の文化史的な意義に迫る後期「浮世絵とは何であったか 浮世絵文化史学」(12月15日~来年1月11日)で構成。実業家の故・平木信二さんが集めた浮世絵コレクションを、中央大学の創立125周年を記念して一挙に公開する。

 前期の会場では、「初代市川團十郎の暫」(画=鳥居清倍、1701年ごろ)や「江戸近郊八景之内 玉川秋月」(画=歌川広重、天保8~9年ごろ)などの重要文化財5点に加え、「花下美人」(画=石川豊信、延享期)など質の高い浮世絵50点を一挙に公開。同館広報担当の袰地由美子さんによると、これまで「状態が良く素晴らしい」「これだけの名作がそろっているのは久しぶりに見た」などの感想があるという。

 後期は、平木コレクションが所蔵するさまざまな時代・絵師・ジャンルに及ぶ幅広い浮世絵作品に、同館が所蔵する絵画資料を加えた80点を展示。「現代では、美術品や芸術としてとらえられる浮世絵は、江戸時代にはもっと日常的なものだった」と袰地さん。切り取ってうちわに貼るために制作された「団扇絵」の元絵や、子どもの遊びとして使われた「福笑い」などを通して、浮世絵の持つ文化史的な側面を改めて紹介する。

 会場では今月6日、浮世絵研究家の新藤茂さんが「浮世絵の遠近法」をテーマに江戸講座を開く。関連講演会では、同館学芸員の湯浅淑子さん(12月20日)、東京大学教授のロバート・キャンベルさん(来年1月9日)、中央大学教授の鈴木俊幸さん(来年1月10日)がそれぞれ登壇する。いずれも14時~。

 開館時間は10時~18時(入館は17時30分まで)。休館日は月曜(ただし1月11日は開館)、12月28日~1月4日。入場料は、大人=300円、小・中・高校生=100円ほか。来年1月11日まで。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース