渋谷・東急本店で「仏像展」-ブーム背景に静岡の仏教美術商が開催

渋谷・仏像展に出品される「千手千眼観世音菩薩像」(銅造彫金仕上げ、制作年代=20世紀、150万円)

渋谷・仏像展に出品される「千手千眼観世音菩薩像」(銅造彫金仕上げ、制作年代=20世紀、150万円)

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 3,000点を超える仏教美術品を扱う「天竺堂」(静岡県三島市)が8月13日より、東急本店(渋谷区道玄坂、TEL 03-3477-3111)8階工芸ギャラリーで「仏像展」を開催する。

ガンダーラ仏の仏頭(関連画像)

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 もともと美術商だった天竺堂は、創業者の中川良男さんが1960年代にユーラシア大陸横断旅行をした際にガンダーラの仏像やチベット仏教のマンダラに出会い、「仏教美術の素晴らしさに開眼」。1970年代から仏教美術品の収集を開始し、1982年に開業。現在では、仏像・仏画・チベット美術を中心に3,000点を超える仏像美術品を扱う。

 同展では、店頭非公開の「秘蔵」の仏像30点を中心に、特定の教理・教派に偏らない仏画や仏教法具など100点以上を展示販売。昨今の仏像ブームを受けて、同店ではメールマガジンの会員数が2万人を突破したといい、専務取締役の中川亮一さんは「僧侶の方も含めて、型どおりの伝統的な信仰を重視するお客さまが減り、ご自身の感性で作品を選ばれる方が増えた。昔だったらほとんど動かなかった玄人好みの尊像の取引もできるようになった」と話す。

 会場には、仏の遺骨を安置するのに用いられる塔で、銅の板を立体成型するために高い技術を要するという「仏塔」(350万円)や、初期の仏像「ガンダーラ仏」の「仏頭」(13万円)、密教法具の先に刀身がついた「不動の利剣」(12万円)など、珍しい仏教美術品も一堂に並ぶ。

 渋谷での開催について、「(渋谷は)交通の便もいいし、文化の中心地の一つ」という中川さん。「実際に作品を見たいが『静岡まで行くのはちょっと』という東京圏のお客さまに加え、ファッションやデザイン、コンピューター関連の方など、日本の文化の礎石の一つである仏教美術を見て、インスピレーションを得てもらえれば」と幅広い層の来場に期待を寄せる。

 開催時間は10時~19時(最終日は17時まで)。入場無料。8月19日まで。

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