恵比寿に複合施設「Bios」-天然酵母パン店、ギャラリーなど集積

恵比寿西口にオープンした複合施設「Bios」外観。1階には野生酵母パン店が出店

恵比寿西口にオープンした複合施設「Bios」外観。1階には野生酵母パン店が出店

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 恵比寿西口の「恵比寿公園」向かいに4月23日、米や野生酵母などで作るパン店や加圧ピラティススタジオなどを集積した複合施設「Bios(ビオス)」(渋谷区恵比寿西1、TEL 03-5459-0505)がオープンした。

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 地下1階~7階の施設には、1階の路面に旬の果物や野菜の「酵母」を使ったレシピ、食生活などを提案してきたデザイナーユニット「ウエダ家」初の拠点が先行オープン。オリジナルの野生酵母液種で作る焼きたてのパンが連日品切れとなるなど、近隣住民や周辺のビジネスマン、OLらの話題を集めている。

 同施設を拠点とした「Bios」プロジェクトの代表を務めるのは、プロジェクトグループの美術商「明治美術」で働く傍ら、歌手としても活動してきたakiさん。「自然を実感しながら育った」という暮らしから上京後、都市生活を重ねるうち食生活などに気を遣うように。「心と体の環境に向き合う『フィールド』を作りたい」との思いから構想を温めてきた。「Bios」はギリシャ語で「生命」「生活」などを意味するという。

 プロジェクトの一環として始動したウエダ家とのコラボレーションも、マクロビオティックなどを実践していたakiさんが一昨年に参加した同グループの「酵母」講座への参加がきっかけ。アートディレクター、プロデューサーの植田夏雄さんが家族で始めた「ウエダ家」は、植田さんが企画・アートディレクションを手掛け、野生酵母で作るパンを紹介した「旬の酵母でつくるパンBOOK」(自然食通信社刊)がベストセラーとなり、定期的にイベントなどを開催。講座に参加したakiさんのオファーが実現し、今回初の拠点を開設した。

 白一色の透明感のある空間に並ぶのは、無農薬のササニシキ米と野生麹、水で育成する独自の野生酵母パン液種「乳COBO88」と、北海道産小麦、天然塩で作るオリジナルパン。同ビル4階のラボで焼き上げるパンは、1回に焼き上げる量が少ないこともあり、品切れになることも。

 和食に合わせた食べ方も提案するベーシックな食パン「ハーフスクエア」(1,200円)をはじめ、上にのせたクッキー生地で異なる食感が楽しめる「プチベレー」(3個、550円)、パンを渦巻き状に焼いた「スパイラル」(450円)、低温焼きで引き出す甘みが特徴の「88コロニー」(350円)など6つのパンを中心に提供する。

 施設は今後、別フロアも順次オープン。広さ約94平方メートル、天井高3~4メートル以上の空間が広がる各フロアは、約2万5千年前の火山活動で噴出・堆積した天然セラミック素材「シラス」を全フロアの壁面に使用するなど施設内のクリーンな環境作りにも配慮。地下1階にはセレクトショップ、1階には茶やアルコールを提供するカウンター式の「茶室」と、ウエダ家の書籍やアーティストの作品などを展示・販売するギャラリー&ショップをそれぞれ開くほか、2階はライブなどのイベントホールとして一般向けにも貸し出す。

 このほか、3階には加圧トレーニングやピラティスなどの活動で知られる加藤康子さんのトータルボディーデザインスタジオを今年6月にもオープン予定。パン工房のあるウエダ家のデザインオフィスも兼ねる4階では、5月から講座を定期的に開催していく。5階は、明治美術が手掛けるアート空間「Bios CYCLE」。今後物々交換などの取り組みも展開していくという。

 プロジェクトについて、akiさんは「食の安全や体作り、心のあり方などに関心が集まる中、何かを無理に我慢したり切り捨てたりするのではなく、美的感覚も大事にしていきたい。美術商が原点だったこともあり、デザインや美しさ、文化・芸術との触れ合いにもこだわった」と話す。新たに立ち上げたレーベル「Bios Records」では、akiさんが所属するスターダスト音楽出版(恵比寿西2)と共同制作したミニアルバムもリリースした。

 営業時間(1階)は、11時~19時。

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