海外アーティストがとらえた戦争の「歴史」-渋谷TWSで企画展

ホロコーストを生還した実母の足跡を辿ったイシャイ・ガルバシュさんの作品「Marienbad: In My Mother's Footsteps (56)」(2004-2008年)

ホロコーストを生還した実母の足跡を辿ったイシャイ・ガルバシュさんの作品「Marienbad: In My Mother's Footsteps (56)」(2004-2008年)

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 トーキョーワンダーサイト(TWS)渋谷(渋谷区神南1、TEL 03-3463-0603)は4月11日より、ベトナム戦争と第二次世界大戦の「歴史」を扱った海外アーティストによる写真展「遠くて身近な歴史-1968年そしてホロコースト」を開催している。

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 青山のアーティスト滞在拠点「TWS青山:クリエーター・イン・レジデンス」(神宮前5)での滞在アーティストの活動成果発表会を兼ねる同展には、海外から来日した2組のアーティストが参加。

 ブラッドレー・マッカラムさんとジャクリーヌ・タリーさんは、1998年からアメリカを拠点に共同制作を続ける夫婦ユニット。黒人と白人という異なる人種同士で「結ばれた」実体験に基づき、「共同体」「歴史」「社会正義」など既成概念を問い直す作品を発表してきた。同展に出品したシリーズ「思い通りに消せない記憶」のテーマは、マーチン・ルーサー・キングが暗殺されベトナム戦争への反戦デモが頻発した「1968年」。当時米国と日本で報道されたさまざまな社会問題・事件の写真を調査し、同年の出来事が人々に与えた影響と両国の相互関係を考察。収集した写真をもとに作品を制作した。

 イシャイ・ガルバシュさんは、イギリスとイスラエルの国籍をもち、ドイツを拠点に活動するアーティスト。今回は、ホロコーストの生還者で実母の作家サラ・ガルバシュさんの手記をもとにオランダ、ドイツ、ポーランドの各地を巡り、大判写真機で風景を撮影した代表シリーズ「イン・マイ・マザーズ・フットステップス」を展示。会場では手記のテキストも併せて紹介する。

 今月15日(19時~20時)には、参加アーティストによるトークイベントを開催。新宿のギャラリー「ワコウ・ワークス・オブ・アート」では、ガルバシュさんによる同シリーズの写真展「イン・マイ・マザーズ・フットステップス」を5月16日まで開催する。

 開館時間は11時~19時(5月4日・10日は17時30分で閉館。最終入場は各日共閉館の30分前まで)。月曜休館(5月4日は開館、同7日は休館)。入場無料。5月17日まで。

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