ワタリウムで気鋭アーティスト島袋道浩さん個展-「ゴルフ」体験型作品も

体験型作品「やるつもりのなかったことをやってみる」のゴルフ練習ケージ。ビデオなどを見ながらゴルフのフォームを学ぶことができる

体験型作品「やるつもりのなかったことをやってみる」のゴルフ練習ケージ。ビデオなどを見ながらゴルフのフォームを学ぶことができる

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 ワタリウム美術館(渋谷区神宮前3、TEL 03-3402-3001)で12月12日、国際的に活躍するアーティスト、島袋道浩(しまぶく みちひろ)さんの国内美術館で初となる個展「島袋道浩:美術の星の人へ」が始まった。

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 1969年兵庫県生まれの島袋さんは、1993年に初の展覧会を行い、2004年にドイツ政府芸術家招聘(しょうへい)プログラムの招待を機に、ベルリンに移住。特定の場所に帰属したアートプロジェクト「サイト・スペシフィック」によるパフォーマンスをさまざまな場所で発表してきた。個展やグループ展を行う中、絵本やエッセーなども発表し、幅広い活動を続ける。

 同展では、これまでに世界各地で発表してきたパフォーマンス映像や、東京で手掛けた新作など約20点を公開する。体験型作品「やるつもりのなかったことをやってみる」は、ゴルフ練習ケージで実際にゴルフを体験できる。ビデオや絵による説明もあり、ゴルフの打ち方も学べる。作品について島袋さんは「ゴルフはデッサンに似ている。見本となるフォームに倣って、自分の体でも同じフォームを作ることが必要。一回体験することで『変わる人生もあるのでは』という思いから、体験の場を作った」という。

 作品「運が良かったら買えるアーティストブックのための案内ポスター」は、特定の場所でしか購入できない島袋さんのアートブックの場所を記した案内板。トラックで野菜などを販売する人や、雑誌「ビックイシュー」を販売するホームレスが販売している。「お金を出しても買えないものを作りたかった。『物の売り買い』の原点を見たおじさんたちに自分の本を売ってもらいたいという思いを込めた」(島袋さん)。

 「シマブクのフィッシュ・アンド・チップス2006」は、イギリスのファーストフード、フィッシュ・アンド・チップスをもとに、リヴァプールの海中でジャガイモと魚が偶然出会う様子を撮影した映像作品。昨年韓国・ソウルで行った、日本と韓国の海域で捕れる太刀魚の輝きを使ってコミュニケーションを図るアートパフォーマンス「アートソンジェ山の夜明け2007」の映像なども公開する。

 地下1階のカフェでは、「ルッコラのハチミツとパルメザンチーズ」など島袋さんが得意とするフードメニューセット(1,000円)を提供。このほか、今月14日、来年2月1日には島袋さんとワタリウム美術館周辺を散歩するワークショップ「散歩の時間」を開催。農学博士の小泉武夫さんらをゲストに招いたトークイベントも来年1月30日、31日にそれぞれ開催する(すべて要予約)。

 開催時間は11時~19時(水曜は21時まで)。月曜定休。入場料は、大人=1,000円、学生(25歳以下)=800円。来年3月15日まで。

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