青山スパイラルに光の「染み」が出現-新鋭アーティストが新作展

光の「染み」を表現した藤井秀全さんの作品「Stain」。グランプリ展では過去最大の作品に挑む(撮影=市川勝弘)

光の「染み」を表現した藤井秀全さんの作品「Stain」。グランプリ展では過去最大の作品に挑む(撮影=市川勝弘)

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 スパイラル(港区南青山5、TEL 03-3498-1171)は10月25日より、今年5月行われた「SICF(スパイラル・インディペンデント・クリエーターズ・フェスティバル)」でグランプリを獲得した藤井秀全(ひでまさ)さんによる個展「Stain “Outward”(ステイン アウトワード)」を開催する。

高度技術で「違和感」を表現した昨年のグランプリ作品

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  「SICF」は、スパイラルを運営するワコールアートセンターが2000年から開催している公募展形式のアートイベント。9年目を迎えた今年は、ゴールデンウィーク期間中、会場となったスパイルホールで若手を中心に計100組のクリエーターがブース出展。限られた空間の中で思い思いの作品を披露した。

 グランプリを勝ち取った藤井さんは、1984年・奈良県生まれ。京都造形芸術大学を卒業後、入学した同大学院で今年度特待生に採用された新鋭。空気や時間など、存在や動きを認識することが難しい「素材」を、体で感じられる形に変換させる実験的な創作活動に挑戦、SICFではLEDを効果的に使い、光が空間に広がる様子を、水が布目に染みわたるかのように視覚化した作品を披露した。

 その名も「Stain(染み)」と題した一連の作品は「見る人を誘惑するように発光する美しさ」(岡田勉スパイラル・チーフキュレーター)、「テクノロジーと感性が見事に調和している」(ハワード・リクターNIKE東京デザインスタジオ・クリエーティブディレクター)などと審査員の高い評価を得た。

 グランプリ受賞記念となる同展では、Stainシリーズ最大の、縦1.8メートル×横1.8メートルの作品に挑む。「Outward(外へ向かう)」の文字通り、青山通り沿いの同館外壁に光の巨大な「染み」を投影。写真作品「Trace(トレース)」、偏光板を通した光がセロテープを色鮮やかに染める立体作品「Color(カラー)」などの新作も併せて披露する。

 会場はスパイラル1階ショウケース。開催時間は11時~20時。入場無料。今月28日まで。

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