原宿に古着店「ロイス」-27歳オーナーが開業、最前線に乗り込み

欧米から「サイズ感」や品質にこだわり買い付けてきたアイテムが並ぶ店内の様子

欧米から「サイズ感」や品質にこだわり買い付けてきたアイテムが並ぶ店内の様子

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 原宿・竹下通りの裏手にオープンした古着店「Royce(ロイス)」(渋谷区神宮前1、TEL 03-3408-2353)がオープンから約3カ月を迎え、順調に客足を伸ばしている。

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 オーナーを務めるのは、大手古着店などで経験を経て27歳の若さで独立した志村辰也さん。「流行にこびず、何年経っても着られるものを」と、サイズ感や服の持つ風合いを重視した買い付けで、自身も店頭に立ちながら希少な「1着」を求め欧米を飛び回っている。

 竹下通りを1本入った裏通りにあるマンションの1室を借りオープンした店は、「隠れ家」風のアットホームな空間。高く抜けた天井とカフェのように座ってもくつろげるカウンターが特徴で、「ゆっくりと服が選べる空間」(志村さん)を目指したという。

 志村さんが古着店経営を目指し始めたのは、地元・山梨から上京後、専門学校でアパレルを学びながら就いたスタイリスト・アシスタント時代に、都内の古着店を服の「リース」で回ったのがきっかけ。卒業と同時に原宿の大手古着店で働き始め、「販売だけでなく仕入れや経営も学びたい」と、その後独立系の小さな古着店で働きながらノウハウを身に付けた。

 「古着が好きだったので『自分の店を持ちたい』という思いは変わらなかった」という志村さんは、いったんアパレル関連の仕事を離れ独立資金をため、今回念願のオープンにこぎ着けた。「高円寺、下北沢などのエリアは最初から考えていなかった。『服好き』が集まる原宿に店を出したかった」という。

 「古着店」の看板を掲げながら新品の取り扱いも多いここ最近の原宿の古着店事情について、「大量の仕入れや新品の扱いなどでアイテム数は多くても、服好きが満足できる店が少なくなってきている」と考える志村さんには、「だからこそ、あえて挑もう」との思いもある。

 店に並ぶのは、米国を中心に約2カ月に1度のペースで訪れる買い付け先の中でも「100着のうち1着あるかないか」(同)という希少な商品。1950年代~90年代のものが中心で、特にこだわるのが「サイズ感」。「いくらデザインや状態が良くても服好きはサイズが合わないと買わない」(同)と、服選びの際の自身の経験も踏まえ、仕入れの段階で大きすぎるものは省いているという。

 アイテムは、シャツ、ジャケット、デニムなどのメンズを軸に、「いいものがあれば仕入れる」(同)というレディスが全体の約1割を占める。古着店の定番とされるリーバイス501などのデニムは置かず、ボトムも「サイズ感」にこだわり、スリムかブーツカットのものしか扱わない。店内にずらりと並ぶブーツも「長く履けるもの」を基準に選んでいる。価格はシャツが3千円台~、ジャケットも5千円台~と「質に対してだいぶ安く設定している」(同)。

 志村さんは「扱うのは何十万円もする『ビンテージ』ではなく、いわゆる『レギュラーもの』と呼ばれるアイテム。レギュラーものの中でも質の高いアイテムを選び抜くことで商品を大量に仕入れる大型店とビンテージ店の『真ん中』を狙っている」と話す。客層については「思ったより10代などの若い客層が目立つ。古着に慣れていない若い人たちに説明してあげることで興味を持ってもらうのが今は楽しい」(同)という。

 驚いているのが、アジアや欧米からの「外国人客」が多いこと。「アジア人の中でもファッションなどで日本ブームが起きているという台湾からの観光客は購買意欲がすごく高い。欧米の人たちは地元よりも安いとまとめ買いしていく人も多い」(同)と外国人からも反応もあるという。「楽しみながら服が買える店にしたい」(同)と意欲をみせる。

 営業時間は11時~20時。

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