目黒川沿いから見る「最後の桜」-上目六さくらSCが今夏閉店へ

目黒川の桜も開花する中、店頭には花見限定の「屋台」も登場。2階角の窓際は社長おすすめの「特等席」

目黒川の桜も開花する中、店頭には花見限定の「屋台」も登場。2階角の窓際は社長おすすめの「特等席」

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 目黒川の桜も満開に近付き、周辺の花見商戦も熱気を帯び始める中、中目黒で6年にわたり桜を見届けてきた「上目六(かめろく)さくらショッピングセンター」(目黒区青葉台、TEL 03-3792-5223)が、「最後」の花見シーズンを迎えている。

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 中目黒駅から徒歩7分ほどの目黒川沿いに同店がオープンしたのは2003年4月。築50年以上の貸間式アパートと民家、町工場をリノベーションした店舗には、1階にレストラン「omamori(おまもり)」、2階にブティックとカフェ&バーの複合店「C.O+n bil-air」が入り、ウッドデッキの中庭を抜けるとパンとケーキの店「OPATOCA(オパトカ)」も。昭和の面影を随所に感じる1つの「街」のような空間が、周辺住民らに親しまれてきた。

 運営を手がけるマン・フュージョン・システム(目黒区)の関野社長は、2003年の開店当初から、毎年桜の時期になると店の外に「屋台」を出し、花見客に自ら手料理を振る舞ってきた。今年が「最後の桜」になることについて、「オープン時からある程度決まっていた建物の取り壊しが今年夏に決まった。この店は閉じて、店の一部は(同社直営の「bio ojiyan cafe」などが入る)原宿のビルに移転する」(関野社長)と説明する。

 最後の桜ではあるが、オープン時から出し続けてきた「屋台」の味は変わらない。バーベキューなどに使われる米TRAEGER社のスモーカーに、マリネしたチキンなどを並べて焼き上げるグリルメニューは、同店の「花見」の定番。関野社長は自らスモーカーの前に立ち、列を作る見物客に声をかけながら次々と料理をサーブしていく。

 今年は、角切り豚バラ肉のグリルや、カマンベールチーズ入りの北海道産ソーセージ(各500円)などのメニューが登場。「味付けは、貝のだしのみで塩こしょうだけ。じゃがいもでとろみを出した」(同)というクラムチャウダー(500円)も人気を集めている。

 当初から決まっていた閉店に、「短い間で店を閉じるのも、『桜』そのものみたいでいい」(同)と感慨深さはないという関野社長だが、満開に近付きつつある桜並木を前に「残念」(同)とも。実際、店の2階テラス席や窓際から見える桜並木は、視界一面を淡いピンク色で覆う「絶景」。夜桜もきれいなこの2階フロアでは4月12日、「最後の夜桜会」と題した花見イベントも開催する。

 屋台の出店は満開のピークを過ぎる4月5日前後までを予定しているが、関野社長によると「花が散って若葉が見え始める『葉桜』もきれいでおすすめ」(同)という。

 営業時間は、1階=11時30分~15時(ランチ)、18時~22時(バール・ディナー&カフェ、土曜・日曜・祝日は15時~22時30分)、2階=11時30分~23時(金曜・土曜は翌1時、日曜・祝日は21時、いずれもフードラストオーダー時間)。

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