岡本太郎財団、渋谷「明日の神話」招致先を視察-今春決定へ

渋谷マークシティ連絡通路に視察に訪れた財団関係者の様子。黄色の懸垂幕がかけられた壁が、提案する招致場所

渋谷マークシティ連絡通路に視察に訪れた財団関係者の様子。黄色の懸垂幕がかけられた壁が、提案する招致場所

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 芸術家・岡本太郎が手がけた巨大壁画「明日の神話」の恒久設置場所を決定するため、招致先各地を訪問している岡本太郎記念現代芸術振興財団(港区南青山6)は1月10日、渋谷区役所を訪れ提出種類の確認討議を行うとともに、区が招致場所として提案する渋谷マーテシティ内連絡通路の視察を行った。

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 「明日の神話」は、岡本太郎が「原爆」を題材に描いた縦5.5メートル、幅30メートルに及ぶ巨大壁画作品。1960年代末にメキシコの地で描かれ長年にわたり所在不明となっていたが、2003年に奇跡的に発見され、修復された壁画は一般公開もされている。

 渋谷区と、渋谷・青山エリアの景観整備活動を行うNPO青山景観整備機構(南青山5)は昨年6月、壁画を招致する意向を正式に表明。キャッチコピー「ハチ公から太郎へ。」を記した巨大懸垂幕掲出やイベントでのチラシ配布などで認知を広げる一方、昨年末に行われたシンポジウムでは通行客に実施したアンケート調査の結果を報告するなど、恒久設置に向け積極的な活動を展開してきた。

 この日渋谷区役所内で行われた会議は冒頭を除き非公開となったが、その後マークシティ連絡通路に訪れた岡本太郎記念館・平野暁臣館長は、視察後取材に応じ、「(設置場所は)多くの人が行き交い、大きな力を持っている。壁画作品は『パブリックアート』。こういう場所がいいと思った」と率直に感想を語った。また、広場などではなく「連絡通路」という条件については、懸念される点を否定はしなかったものの「目的以外の人がたまたま出会えるのは素晴らしいこと」と逆に評価した。具体的な長所・短所などについては名言を避けたが、「地域を上げての熱意を感じた」と話していた。

 渋谷への視察で、ほかに名乗りを上げている広島市、大阪府吹田市への訪問を含むすべての自治体への視察を終えた同財団は2月中にも選考委員会を開き、今春までに理事会で壁画の招致先を最終決定する方針。

岡本太郎の巨大壁画「明日の神話」誘致-広島の期待高まる(広島経済新聞)渋谷区、岡本太郎「明日の神話」招致に名乗り(シブヤ経済新聞)「明日の神話」招致など議題にシンポジウム(シブヤ経済新聞)渋谷区渋谷・青山景観整備機構(SALF)

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