代官山に新コスメブランドの直営1号店-「提案型」新戦略

「MAMEW」DAIKANYAMA店内の様子。中央の木製テーブルはオリジナル。店内では音楽環境にもこだわるという

「MAMEW」DAIKANYAMA店内の様子。中央の木製テーブルはオリジナル。店内では音楽環境にもこだわるという

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 化粧品企画開発・販売のドットジェーピー(渋谷区猿楽町)は10月15日、代官山に新ブランド「MAMEW(マミュー)」の直営1号店を開設した。

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 一軒家風のシンプルな空間が特徴の店内には、繊細な作りのメーク道具やブラシとリキッドが別々になったユニークなマスカラ、基礎化粧品各種など、化粧品業界に長年携わってきたスタッフが一から開発した商品が並ぶ。ロゴデザインなど全体のアートディレクションは、NTTドコモなど大手企業のブランディングや広告デザインなどを数多く手がける「good design company」代表の水野学さんが担当し、既存の化粧品メーカーとは異なる新戦略を打ち出す。

 1号店「MAMEW」DAIKANYAMA(TEL 03-5489-3600)は、代官山駅から徒歩2分の路地にオープン。人気ファッションブランドの直営店も出店する商業エリアで、メーン通りを1本入った閑静な小道に2階建ての店舗を開設した。白一面のファサード、ウッドのオリジナル什器などはいずれもロゴやキャンペーンフォトを前面に打ち出す既存の化粧品店とは異なる雰囲気。店舗デザインは「日産銀座ギャラリー」などの代表作で知られる文田昭仁さんが手がけた。店舗面積は約20坪。

 一部吹き抜け構造になった1階は、商品展開スペース。2階は、個人に合ったメーク法や商品の使い方をレクチャーする「レッスン場」として機能する。同店では、専門スタッフを「ビューティー・キュレーター」と名付け、メークのコーチングやライフスタイル提案を徹底した点も、既存メーカーとの違い。

 化粧品業界の他スタッフとともにブランドを一から立ち上げた運営会社の横山恵子社長は「メークは道具や化粧品の正しい使い方、個人に合った色選びなどを提案して初めて、自分だけの『きれい』を引き出せるもの」と言い切る。大手化粧品メーカーで販売や開発も手がけ、業界歴25年以上という同社長は「ブライダルの仕事に携わったことで、商品の提案次第でもっときれいになる人が沢山いるのにと痛感した」という。

 同社の「体質」が他メーカーと根本的に異なるのは、開発スタッフと実際に店頭で接客を行う販売スタッフらが一帯となり、ブランディングに取り組んでいる点。商品の開発やメーク教室、物販まで各担当の声を反映させながら「きれい」を提案する。こうした独自戦略が商品や店づくりにも反映されている。

 主力商品の一つである「MAMEWマスカラキット」(4,200円)は、マスカラ液とブラシが「独立」した新型のマスカラセット。キャップも兼ねた従来のマスカラブラシを単独にすることで、使いやすくはしのように長いブラシを実現。マスカラ液も、個別にしたことでより描きやすい粘度の高い液を採用できたという。天然毛を使用したブラシは市販のシャンプーで手入れ可能。

 ブランドでは、化粧品だけでなく「道具」にも力を入れた。リップブラシ(3,150円)やフェイスブラシ(10,500円)、チークブラシ(7,350円)など基礎となるブラシ類は筆の名産地、広島県熊野町の老舗に開発を依頼。メークアップベース「MAMEW プレメイク&デーエッセンス」(6,300円)は、スキンケア効果を持たせ、化粧くずれしない点にもこだわった。ファンデーションやアイカラーは日本人の肌に合わせたカラーを重点的に開発した。

 店舗2階のメーク教室では、最大4人までの少人数制で5,000円、10,000円、30,000円のコースを設けた。1回90分の5,000円コースは、眉デザインやマスカラの使い方、アイカラーなど目もとを中心としたコース。全7回(1回=60分)の30,000円コースには、ファンデーションやアイカラーなどパーソナルカラーに合わせた商品も提案する(レッスン料は商品代込み)。

 同社では今後、ブランディング効果が高い立地をめどに全国での直営店(単独店)展開も計画。49%の出資比率で資本参加している総合商社・双日(港区)のネットワークを生かし、海外進出も視野に入れている。代官山店の営業時間は11時~20時。

MAMEW

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