Bリーグ・サンロッカーズ渋谷（以下、SR渋谷）が3月22日、青山学院記念館（渋谷区渋谷4）で新潟アルビレックスBB（以下、新潟）と対戦し97-93で競り勝った。

タフショットを決めるなど10点を挙げた関野剛平選手

　立ち上がり攻撃が好調だったSR渋谷は、ボールを回すことでオープンの選手をつくり高確率で3ポイント（P）シュートを沈めるなど、序盤で一時9点のリードを奪う。それでも新潟が強みとするインサイドを起点とした攻撃で点差を詰められ24-26と競った展開となる。

　これまでにもリードを広げきれずに競り合う試合はあるが、ベンドラメ礼生選手は「10点差を20点差に広げるのは簡単なことではないが、0-0の気持ちで1つのボールを全員で守って攻めて流れを作っていくことは必要」と考える。

　第2クオーター（Q）序盤にはジェームズ・マイケル・マカドゥ選手、ライアン・ケリー選手のアタックからの得点や、新潟の攻撃を制限時間いっぱい守り切る好守も見せる。一進一退の攻防が続くなか、西野曜選手はゴール下への飛び込みから得点を挙げ、盛實海翔選手は外国籍選手のブロックに負けずにレイアップを決めた。同Qラストは「パスがうまくつながらず」（ベンドラメ選手）ボールを奪われ失点し44-42で折り返した。

　点を取り合った愛3Qはケビン・ジョーンズ選手が15得点で攻撃を引っ張るが、リズムをつかみきれず73-71で最終Qに突入。90-91で迎えた残り約1分。「ピック＆ロール（スクリーンを使った攻撃の1種）でズレができるのは試合を通して感じていた。どのオフェンスが一番効率よくシュートまで行けるか考えた時に一番良い選択肢だと思った」とベンドラメ選手が3Pを沈めリードを奪う。すぐに同点に追い付かれるも、「迷わず打ち切るつもりでオフェンスに入った」というベンドラメ選手が再びシュートを決め一歩前に出る。続く新潟の攻撃、関野剛平選手が外国籍選手と対峙したが、体を張ったこともありシュートが落ちるとリバウンドからの速攻でマカドゥ選手がダンクで勝負を決めた。

　関野選手の守備について浜中謙ヘッドコーチ（HC）は「身長こそないが、尋常じゃないパワーと負けん気がある。彼の良さは目の前の相手に対して抜かれないとかスタッツに表れない所」と評価した。加えて、逆転を許した最終Qにインサイドでタフなシュートを決め、自らボールを要求して3Pを沈めるなど10得点を挙げた関野選手。守備を持ち味とする選手だが、シーズン前に「オフェンスでも貢献したい」と話していた。浜中HCも「オフェンスに絡んでいった方が良いよねと本人から言ってきた」と明かし、「オフェンスに対する欲が出てきたこと、姿勢が変わってきたのはすごく良い」と話した。

　この日SR渋谷の攻撃をつないだ一つはリバウンド。ジョーンズ選手を中心にチームで10本取りそこから18点を挙げた。元々強みとしているが、浜中HCは「相手が誰であれやるべきことをやろうということの表れ」と評価。一方で、連続でオフェンスリバウンドを取られ3Pを許した場面などを例に、「良いディフェンスをしたんだから取りきらないといけない」と、新潟にも10本のオフェンスリバウンドを許したことを課題に挙げた。

　守備面ではさらに、新潟のインサイドの選手を2人で守る戦術を「選手は遂行してくれた」（浜中HC）が、そこからのパスでの3Pや高確率のフリースローで93失点したことを「（得点を）取られすぎた」と振り返った。あと2回対戦することから「修正しないといけない」と続けた。

　ベンドラメ選手は、前半はアシストを後半は得点をそれぞれ伸ばし13得点アシスト10本とダブル・ダブルを記録。「前半アシストで良いパスが出せたおかげで、シュートするスペースも見えていた。後半思い切って打って入って良かった」と振り返った。この日はテレビ中継も入っていたが、「世間はWBCでそれどころじゃないかもしれないが（笑）、少しでも見ている方に面白い試合を届けることができたのは良かった」とも。

　今季の残り試合は残り3分の1を切っている。浜中HCは「長期的な目標に優勝はあるが、プロセスは必ずある。まだ勝率が5割に戻っていないし、毎試合100％の努力でどんな相手とやるにしろ立ち向かっていくことは変わらない。どれだけ自分達らしくできるかを追求していきたい」と話した。

　次節は今月25日・26日、アウェーで滋賀レイクスと対戦する。