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表参道でヘッドデザイナー故・加茂克也さん展覧会 ショーのヘッドピースなど

ヘッドピース261点を中心に並ぶ場内

ヘッドピース261点を中心に並ぶ場内

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 ヘアデザイナーの故・加茂克也さんの展覧会「KAMO HEAD -加茂克也展 KATSUYA KAMO WORKS 1996-2020-」が3月21日、表参道ヒルズ(渋谷区神宮前4)本館地下3階「スペース オー」で始まった。

「竜とそばかすの姫」の衣装となったヘッドピース

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 加茂さんは1965(昭和40)年福岡県生まれ。1990(平成2)年に渡仏し、帰国後、ファッション誌を中心に広告やショーなどでヘアメークを担当。2003(平成15)年には「毎日ファッション大賞」グランプリを受賞。2005(平成17)年からは活動の場を海外に広げ、米「VOGUE」などのモード誌やアート誌でも活躍。2008(平成20)年以降は、ハイブランドのショーやコレクションブランドのキャンペーンビジュアルを担当するなどしていたが、2020年、54 歳で亡くなった。

 同展は4年半前に作品集が完成するタイミングで加茂さん自身の発案で企画。2019年春に開催を予定していたが、直前で加茂さんの病気が発覚したことから中止していた。その翌年に加茂さんが亡くなったことに加え、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い延期となっていた。

 展覧会のコンセプトは、加茂さんがものづくりをする際に好んでいたという「カオス」。場内は入り組んだ作りにすることで加茂さんの「頭の中をのぞいているような」感覚を味わえるようにした。

 最も多く展示するヘッドピース(261点)は、コレクションショーなどで使われたもので、一般的には普段間近で見る機会がほとんどない作品。加茂さんの作品は、人毛や紙、布、ミラー、アクリルなど「ヘアメークの概念にとらわれない」素材の選び方や、ときにはモデルの顔を覆ってしまうなど「奇抜なアイデア」が特徴だった。映画「竜とそばかすの姫」の主人公の分身「ベル」の衣装になっている、「アンリアレイジ」が手がけたドレスに合わせて制作したアクリルを使ったヘッドピースなどが並ぶ。

 加茂さんが使っていた道具や机、ソファなどを置きアトリエを再現したエリアも用意。同所壁面のポラロイド写真は、加茂さんが亡くなった際に保存したもので、順番も当時と同じにするなどできる限り再現した。

 卵の殻や枝、虫などを使った箱形のアートピース(222点)はパーソナルワークとして制作していたもの。アイデアソースをまとめたポラロイドブック(複写)も用意するほか、2019年に出演したテレビ番組「デザインあ」の映像なども上映する。

 開催時間は11時~21時。入場無料。4月2日まで。

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