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表参道駅近くに青果レストラン「DEK」 老舗青果仲卸が新事業

青果を中心に使うメニュー

青果を中心に使うメニュー

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 青果レストラン「DEK(デック)青山」(TEL 03-6803-8507)が2月10日、表参道駅近くの商業施設「グラッセリア青山」(港区南青山5)にオープンする。

カジュアルな雰囲気の1階

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 1924(大正13)年に果物問屋として創業し、現在は仲卸をしている船昌(大田区)によるBtoC向けの新事業。これまでスーパーや量販店へ青果を下ろしていたが、来年創業100年を迎えるに当たり次の100年に向けて「直接消費者に届けたい」とBtoC事業に注力することを決めた。その一環として昨年11月にはオンラインショップも開設している。店舗の経営は昨年11月、青果を使った飲食店をプロデュースするために設立したf.dining(大田区)で行う。店名は船昌の社名にちなみ、甲板(deck=デッキ)に由来する。

 青果店が減っていることや、青果に代わる商材が出てきていることなどから青果を「食べる人が減っている」背景もあり、「青果が身近にあふれる暮らしを目指そう」(f.dining店舗開発部マネジャー石山健一さん)と同店を開発。「感度の高い人」が来街すると判断して同エリアで出店先を探し、「今後の日本の食卓」を見据え家族連れや30代など若い世代をターゲットに据える。

 店舗面積は1階=38坪、2階=35.57坪の計73.57坪。席数は1階=52席(うちテラス15席、外カウンター4席)、2階=42席の計94席。内装は店名にちなみ「クルーズダイニング=船卓」を意識した。1階はカジュアルな「DEK KITCHEN」で、白を基調とした空間に淡い色味の木などを取り入れている。2階の「DEK DINING」は濃い色味の木を基調に個室も用意する。両フロア共通で、音や香りなど「五感で」体感できるようオープンキッチンを導入。内装の素材は国内でハンドメード加工した木材、キッチンにはセラミックタイルを使っている。

 毎朝届く青果は、95~98%が船昌と付き合いのある国内の生産者のものを使う。メニューは、レタスや旬の野菜3種類のマリネ、自家製ピクルス、季節の果物などの「DEKサラダ 生ハム添え」(1,700円)や、栃木県産「とちあいか」とブラータチーズ(1,800円)、自家製しょうゆオニオンソースをかける徳島県産阿波牛のいちぼを使った炭火焼きグリル(3,200円)、イチゴソース・レモンジュレ・パフチョコレート・イチゴアイスなどを重ねたとちあいかのパフェ(1,900円)など。和牛だしベースのミネストローネ、和風ピクルス(以上各600円)は野菜の端材を使ったメニューで、フードロスにつながる取り組みとなる。

 ドリンクは、パイナップルジュースをベースにキウイやリンゴ、オレンジ、ホウレンソウなどを使う「グリーンスムージー」(900円)、オーストリア・バッハウのワイン生産者が作るオーガニックぶどうジュース(1,000円)などをラインアップ。レストラン事業は初めてであることもあり、時期をずらして今春オープンする2階では昼夜共にコース2種類を提供予定。想定客単価は、1階=昼2,000円~3,000円、夜4,000円~5,000円、2階=昼5,000円~6,000円、夜1万円を見込む。

 船昌とf.dinng両社の社長を務める関野裕さんは「おいしいものをおいしい時に食べてほしい。(同店を通して)日本の青果物のおいしさや、便利な世の中になり旬も分かりにくくなっているなかで旬というものを再認識してもらえたら」と話す。

 営業時間は8時~22時。オープン記念として今月10日~12日には各日250人に店舗ロゴが入ったリンゴを進呈する。

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