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東京メトロ銀座線・渋谷駅の移設工事が日建連表彰「土木賞」受賞

2020年1月の供用開始直後の銀座線ホーム

2020年1月の供用開始直後の銀座線ホーム

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 東京メトロ銀座線・渋谷駅(渋谷駅渋谷2)の移設工事が、表彰制度「日建連表彰2022」で土木賞を受賞した。

計画時に作成した銀座線渋谷駅3Dモデル

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 一般社団法人日本建設業連合会が2019年に創設した「日建連表彰」表彰制度で、建築物の伝統と社会基盤の存在価値を顕彰し後世に残すことを目的にしている。土木構造物の施工プロセスを重視する「土木賞」と、建築の事業企画、計画・設計、施工、環境・建築物の運用・維持管理などを総合評価する「BCS賞」を設けている。

 銀座線・渋谷駅は、駅の大規模な基盤整備に合わせ、東急百貨店東横店内にあった相対式ホームを、約30メートル東側となるバスロータリーと明治通り上に1面2線の島式ホームとして移設。ホームの拡幅やバリアフリー設備の設置などを行った。2009(平成21)年に着工し、一部区間を運休しながら線路切り替え工事を3回行い、昨年3月15日に完工した。

 工事は、周囲をビルで囲まれた狭い立地のため仮の路線や別の路線を造れず、同じ位置で鉄道営業をしながら旧構造物を撤去し新構造物を造らなくてはいけない難しいケースだった。土木だけでなく軌道、信号、通信、電力といった各工事関係者、新ホームに必要な建築・駅設備の担当者や駅員、乗務員との協議・調和が必要だったなど、さまざまな課題があったという。

 それに当たり、計画・設計の初期段階から3Dモデルを導入。プロジェクト全体を通しての情報共有の簡素化や、建設生産プロセスにおける受発注者双方の業務効率化・高度化を図ることを目的に、3D情報マネジメント「BIM/CIM」を使った。今回の表彰では、同モデルを採用したことで、前倒しできる工程を初期段階で行い、3DモデルをVR技術に応用して受発注者がイメージの共有をした点などが評価された。

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