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渋谷スクランブルスクエアの展望施設で展覧会 渋谷の地図モチーフの作品など

渋谷の街なかにあるストリートアートや歴史を紹介するガイドマップのような作品

渋谷の街なかにあるストリートアートや歴史を紹介するガイドマップのような作品

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 渋谷スクランブルスクエア(渋谷区渋谷2)の展望施設「渋谷スカイ」46階の屋内展望回路「SKY GALLERY」で5月20日、展覧会「DOWN TO TOWN」が始まった。

望遠鏡で街を眺める作品

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 渋谷の文化醸成に「貢献していくこと」を目的に、写真家・石川直樹さんの写真展示など、アーティストとコラボレーションした「本格的な」展覧会を2020年から年に2回開催している同所。

 4回目となる今回の展示は、アートチーム「SIDE CORE」がキュレーションする、匿名アーティストグループ「EVERYDAY HOLIDAY SQUAD」の個展となる。渋谷はストリートアートの街でもあることから「ストリートアートで何かできないか」と構想していたなか、「街との循環」を体験できるような企画を依頼。

 同所での展示では、アーティストに「渋谷スカイ」を体験してもらい、そこから得たインスピレーションを形にしてもらっているという。今回は、物理的な空間の距離だけでなく、時間軸も含めて「上から見る」ことがテーマになっている。

 最初に展示する作品は、街なかにある町内看板をベースに、上から絵や文字を書いたり消したりした作品で、「変化自体が面白さ」である渋谷の街の変化と、さまざまなアーティストが訪れた「痕跡」(=ストリートアート)を残していく時間の変化を表現した。

 「stranger’s storage」は、架空の空間に記憶したい物を配置し記憶する「ロキ法」をモチーフにした作品で、棚のような渋谷エリアや道玄坂エリアなど渋谷の街の地図に、街の写真などを配した。

 「I’m looking at you」は望遠鏡で街を眺める作品。のぞき込むと建物の屋上に置かれたネズミの人形を見ることができるが、同時に私たち自身も遠くからのぞかれているという視点の相互性を表現している。ネズミは同グループの作品に度々登場するキャラクターで、アーティスト自身のセルフポートレートであり、街で「ひしめき合って」暮らす私たち自身を表現しているという。

 映像作品「rode work」は、工事用作業服を着たスケーターたちが都内を走り、街なかに夜間工事現場を模したスケートパークを作り出す内容。東日本大震災の被災地である福島・石巻で1作目を制作したもののシリーズ作品となる。映像に登場する夜間工事用の照明器具の一つ「ネオソーラー」は、電波時計の仕組みが組み込まれており、福島と東京はライトの点滅のカウントが自動でそろうことが特徴で、距離を超えた場所同士のつながりを表現している。

 「river diver map」は来場者が持ち帰ることもできる作品となっている。渋谷駅周辺の鳥瞰(ちょうかん)図を地図にし、地図にはストリートアートの観点で「面白い」と思う場所や街の歴史42カ所をピックアップし紹介するガイドマップのように仕上げている。

 地図には暗渠化された宇田川、隠田川、渋谷川も記載。上空から街を眺め、地図を持って街を歩き(=down to town)、かつてあった現在は見えない歴史にも焦点を当てることで、街に対する「新しい視点」を得る体験の提供を図る。

 営業時間は10時~22時30分。渋谷スカイの入場券(ウェブチケット=大人1,800円、当日窓口チケット=同2,000円ほか)があれば鑑賞できる。7月24日まで。

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