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渋谷駅ハチ公前広場・青ガエル跡に新観光案内施設「シブハチボックス」

テープカットに出席した長谷部健渋谷区長(左から3番目)ら

テープカットに出席した長谷部健渋谷区長(左から3番目)ら

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 渋谷駅ハチ公前広場に10月1日、新たな観光案内施設「SHIBU HACHI BOX(シブハチボックス)」(渋谷区道玄坂2)がオープンした。

対面でチケットを販売する「tkts」=渋谷駅前に新観光案内施設「SHIBU HACHI BOX」

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 秋田・大館に移設された、観光案内所として活用されていたモニュメント「東急5000系車両(通称=青ガエル)」跡で展開する同施設。事業主体である一般社団法人「渋谷駅前エリアマネジメント(以下、渋谷エリマネ)」が、国家戦略特区道路占用事業制度の活用を目指し設置する。施設名は、渋谷という地名、外国人にも知られている忠犬・ハチ、施設の形状を表した「BOX」を組み合わせて命名した。

 施設は一般財団法人「渋谷区観光協会」が運営する観光案内スペースに加え、東急・東急不動産が共同で運営する「まちの」情報発信スペース、NTTドコモが運営するPRスペースの3つで構成。現在渋谷は駅を中心に大規模な再開発が行われ「街の魅力も増えていっているので、再開発の情報も観光情報になるのでは」(渋谷区観光協会理事長・金山淳吾さん)と、複合的な施設にした。

 観光案内スペースでは、旧観光案内所から引き続きジェイノベーションズ(道玄坂1)のスタッフが対面で観光案内を行うほか、マップなども用意し地域イベント・グルメ・ショッピング・宿泊情報などの情報を提供。公式キャラクター「shibuya■hachi(■はハートマーク、シブヤラブハチ)」グッズや観光協会公式・公認土産も販売する。

 加えて、アバターを介して会話をする会話ツール「AvaTalk」を新たに導入。同所に設置するタッチパネル式サイネージには遠隔から観光案内をするスタッフのアバターが表示され、来街者と話しながら観光情報を提供する。生身の人間の対面での案内が難しくなった時でも同等の「ぬくもりの観光情報が提供できる」(金山さん)。案内するスタッフは、渋谷で働いていた・遊んでいた、興味がある人などが対応する。

 東急などが「エンターテインメントシティ渋谷」を目指す中、「劇場に足を運びやすい環境を駅前で提供したい」と、NYブロードウェー発ディスカウント・チケットストア「tkts(ティーケーティーエス)」のブースも展開。スタッフが常駐し渋谷駅周辺や東京近郊の公演チケットを販売する。

 「まちの」情報発信スペースには、「未来の渋谷への期待感の醸成」することなどを目的に再開発情報を動画コンテンツで紹介する。再開発を主導する東急や東急不動産に加え、行政や渋谷エリアマネジメントが持つ情報を集約しして発信する。加えて「興味換気」のため、来街者によって街がアップデートされているという思いを込めた「アップデートする渋谷」をコンセプトにしたデジタルアートも上映。施設の軒下に設置したカメラで広場にいる人たちを撮影し、行き交う人々を数字で表現するほか、人の動きに反応してその数字が上に浮かび上がる。やがてその数字が落ちてきて再開発が終わる2027年の街並みが作られていく内容になっている。アートの中に登場するサイネージは、ハロウィーンやクリスマスなど季節に合わせて表示する内容を変えるという。施設外からでも見られるよう壁一面のLEDビジョンで流す。

 NTTドコモのPRスペースでは、「近未来」の演出として空間コンピューティングデバイス「Magic Loop1」と遠隔会議ソリューション「Stapial」を活用した「XR(ARやVRの総称)観光案内」を提供する。「Magic Loop1」を装着すると目の前の仮想空間に、離れた場所から観光案内するスタッフのアバターや、渋谷駅前スクランブル交差点、岡本太郎の巨大壁画「明日の神話」など観光スポットの写真、駅周辺の地図が表示される。スタッフが来街者と話しながら、それぞれの場所を紹介するないようとなる。5Gの実装が始まる中、金山さん「この技術を使ってどういう観光体験をつくっていけるのるかという実験拠点にしていきたい」と話す。

 1日の朝には関係者らが出席しテープカットを行った。長谷部健渋谷区長は「コロナの中でいろいろなことが難しい状況で、渋谷の観光も何かしら変化すると思う。関わる方が、ここからさらに前に進む機会になれば。(来街者には)新しい観光案内所を利用していただき、渋谷区中、東京を楽しんでいただければ」と期待を込めた。

 金山さんは「テクノロジーも取り入れているので、世界一ユニークな観光案内所を作っていきたい。渋谷の玄関口にある場所なので、仕組みだけでなく情報などもまだあまり世の中に出ていないものを提供していけたら」と意欲を見せる。この日、「Go Toトラベル」が東京でもスタートしたが、「渋谷はあまり滞在型の観光地ではない。どちらかと言えば、『Go Toイート』『Go Toイベント』などで、地域に国内観光客を呼び込めるようになれば」とも。

 営業時間は10時~20時(初日は14時~)。今後予定されている広場の再開発時までの運用予定。

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