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渋谷・アップリンクで映画「ガザの美容室」 戦争状態の中生きる女性たち描く

美容室を舞台に女性たちが生きる姿を描く「ガザの美容室」より

美容室を舞台に女性たちが生きる姿を描く「ガザの美容室」より

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 渋谷・宇田川町のミニシアター「アップリンク」(渋谷区宇田川町)で6月23日、パレスチナ自治区ガザで生きる女性たちを描いた「ガザの美容室」が公開される。

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 舞台は女性経営者が手掛けるガザの美容室。離婚調停中の主婦や結婚を控えた若い女性、美容院の中でもヒジャブ(イスラム教の女性が頭に着ける布)を取らない信仰深い女性、出産間近の妊婦など女性客が集まり話に興じていたところ、外で戦闘が始まる。美容室の中でも言い争いが始まるが、「私たちが争ったら、外の男たちと同じじゃない」と、女性たちはメークやヘアメークを続け「抵抗の姿勢」を示す。

 メガホンを取ったのは、一卵性の双子であるタルザン・ナサール監督とアラブ・ナサール監督。1988年にガザで生まれ、アルアクサ大学で芸術の学士号(絵画専攻)取得。2013年の初監督短編「Condom Lead」はカンヌ国際映画祭の短編部門で上映され、初の長編作品となった「ガザの美容室」は2015年のカンヌ国際映画祭批評家週間でワールドプレミア上映された。

 「人々の暮らしを映画にしたかった」というタルザン監督。美容室を舞台にした理由を「誰もが聞き逃したくないようなうわさ話の宝庫だから」と話すが、「登場人物たちが壁に囲まれた中に押し込められるというアイデアが大事だった。幽閉状態というのは、次第に何かが起こる。この抑圧的な閉鎖空間は、行くことのできない外の世界を見ているガザ地区の人間の生活を象徴している」とも。「僕らが伝えようとしたかったことを見てほしい。何よりも『パレスチナ人の映画だから』というだけで嫌わないで、映画のクオリティーを評価してほしい。いつか政治的側面が全くない映画を作れる日が来ることを願っている」とコメントを寄せる。

 公開に合わせ、同館併設のカフェ「タベラ」では、セモリナ粉を使ったパレスチナの伝統菓子「ハリーサ」(700円)やエルサレム西方の丘に建つトラピスト会ラトゥルン修道院で作られているナチュラルワイン(ボトル3,000円~)を期間限定で提供する。

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