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東急プラザ表参道原宿屋上に「畑」 地元保育園児たちが収穫体験

育った野菜を収穫する園児たち

育った野菜を収穫する園児たち

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 東急プラザ表参道原宿(渋谷区神宮前4)6階屋上テラス・おもはらの森の畑「やさいの森」で6月18日、収穫イベントが行われた。

採った野菜を試食する園児たち

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 主催は、都会のビル屋上や有休物件などを畑や田んぼとして活用する「都市型農的ライフスタイル」を提案するNPO法人アーバン・ファーマーズ・クラブ(恵比寿4)。2016年からライブハウス「TSUTYA O-EAST」(円山町)屋上で野菜を育てている小倉崇さんが代表理事を務めている。

 同NPOが運営する畑の第1弾プロジェクトとなる同所は、昨年度の企業・行政・NPO・市民などが連携し地域課題の解決に取り組む「渋谷をつなげる30人」の中で立ち上がった「シェアリングエコノミー推進プロジェクト」に、小学生が街の課題を見つけ解決策を提案する「Social Kids Action Project」内で挙がった「畑を作りたい」という案を組み合わせて誕生。

 ただ畑を作るだけでなく、子どもの食育や企業間のコミュニケーション、地域の人たちとの交流など「育み」をコンセプトに掲げる。趣旨に賛同した、施設を運営する東急不動産(港区南青山2)、渋谷に本社を構えるキユーピー(渋谷1)、伊藤園(本町)がそれぞれ協賛している。

 屋上テラスには、2メートル四方、深さ約50センチのプランター4基を設置し、小倉さんが「TSUTAYA-O-EAST」屋上で2年間野菜を作っていた土を入れた。4月26日に、渋谷保育園(神宮前3)、神宮前あおぞらこども園(神宮前5)、神宮前保育園にじ(神宮前6)の園児約60人を招き、サニーレタス、リーフレタス、カブ、ラディッシュ、水菜の種をまいた。畑の管理は同NPOが行い、水は雨水のみで、草抜きや間引きをしながら育ててきた。

 この日は再び園児たちが集まり、育った野菜を収穫。キユーピー、伊藤園による食育講座の後、採った野菜をキユーピーのエッグケア(卵不使用)マヨネーズに付けて試食。「苦い」という率直な意見も挙がったが、「マヨネーズを付けると苦くない」という声も聞かれた。

 同所では7月に、伊藤園が新たに立ち上げる「渋谷産ニンジンジュース」プロジェクトを始動させるため、同社専用の品種として15年ほど前から野菜飲料「充実野菜」に使うなどしているニンジン「朱衣(しゅい)」の栽培を始める。11月には4社合同の収穫祭を行い、ニンジンジュース作りやワークショップなどを予定する。

 小倉さんは「未来の都市生活は、自分で育てた野菜を食べるのをデフォルメにしたいと思っている。(子どもたちには)自分たちの手で育てて食べる価値を体験してもらいたい」と期待を込める。同NPOでは渋谷エリアをアーバン・ファーミング(都市部での農業)の一大拠点とするため、2020年東京五輪・パラリンピックまでに区内に2020カ所のアーバン・ファーム(市民農園)を開設することなど目標に掲げている。

 同所での野菜作りは以降も続けていく予定。

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