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東京都写真美術館で「世界報道写真展」 小原一真さんの入賞作品も

「世界報道写真大賞」を受賞した国境を越えようとする難民の男性と乳児の写真(左手)

「世界報道写真大賞」を受賞した国境を越えようとする難民の男性と乳児の写真(左手)

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 東京都写真美術館(恵比寿ガーデンプレイス内)地下1階展示室で現在、ドキュメンタリー・報道写真の展覧会「世界報道写真展2016」が開催されている。主催は世界報道写真財団、朝日新聞社。

「人々の部」1位に選ばれた小原一真さんが撮影した写真

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 1995年にオランダで同財団が発足したことを機に、翌1996年から開催されている同展。毎年1月~2月に開催する、主に前年に撮影された写真を対象にした「世界報道写真コンテスト」の入賞作品を、1年を通して各国で展示している。

 59回目となる今回のコンテストには128の国と地域から5775人のカメラマンが8万2951点を出品。その中から、「スポットニュース」「スポーツ」「自然」「人々」など8部門で41人の入賞者と、「その年の最も優れた」写真1点に対する「世界報道大賞」を決めた。

 会場には入賞作品約150点を一堂に展示する。今年「世界報道写真大賞」を受賞したのは、オーストラリアのウオーレン・リチャードソンさんが撮影した1枚。セルビアとハンガリーの国境を越えようとするシリア難民の男性が、国境である有刺鉄線付きフェンスの下からハンガリー側の人へ乳児を手渡そうとしている瞬間を捉えた。午前3時ごろ、警備員に見つからないようにフラッシュを使わず月明かりを頼りに撮影したという。

 「人々の部」1位(組写真)に選ばれたのは、ヨーロッパの出版媒体を中心に活動する日本人の小原一真さん。1986年のチェルノブイリ原子力発電所事故から5カ月後に約100キロ離れたキエフで生まれた慢性甲状腺炎を患う女性を、チェルノブイリ近郊のプリチャピで見つけた1990年以前のカラーフィルムで撮影した。

 ほかにも、メキシコのセルジオ・タピロさんが20日ほど待機し3台のカメラを駆使して撮影したメキシコ・コリマ山の噴火と同時に発生した稲妻(自然の部)、スイスのクリスチャン・ボブストさんが撮影したセネガル相撲(スポーツの部)、米ナンシー・ポロウィックさんがガンを患った両親の最後の数カ月を記録した写真(長期取材の部)などが並ぶ。

 開館時間は10時~18時(木曜・金曜は20時まで、入館は閉館30分前まで)。鑑賞料は一般=800円、学生=600円ほか。10月23日まで。

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