渋谷に日本コカ・コーラ新本社ビル 随所にボトルや王冠デザイン、社員の交流促進図る

「ジョージア・グリーン」のガラスを採用するなどした新社屋外観

「ジョージア・グリーン」のガラスを採用するなどした新社屋外観

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 日本コカ・コーラ(渋谷区渋谷4)が7月25日、建て替えを終えた本社ビルでの業務を始めた。

屋上に作ったコンツアーボトル型のウッドデッキ

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 1970(昭和45)年から渋谷の地に本社を構えている同社。老朽化もあったことなどから建て替え、3棟に分かれていた社屋を1棟にまとめた。2014年12月に着工し、今年6月15日に完工。その間同社は六本木に移転していた。

 敷地面積は2750.85平方メートル。フロア構成は地下1階~地上7階で、延べ床面積は旧社屋の約1.2倍となる1万2103.93平方メートル。高さは、コカ・コーラのグラスボトル「コンツアーボトル」約184本分に当たる最高36.22メートル。執務スペースは3~6階で、関連会社社員や常駐スタッフなどを含めて約600人が勤務。会議室は65室(うち来客用は26室)用意した。

 正面ファサードはコンツアーボトルのカーブをイメージした形状で、米本社のあるジョージア州の森から名付けた「ジョージア・グリーン」のガラスを採用するなどしている。7階には芝を植えたテラスも用意し、グーグル・マップでも確認できるコンツアーボトル型のデッキも作った。

 社内は、社員の帰属意識やブランドロイヤルティーを高めるデザインを目指した。各フロアの色としてコカ・コーラ=赤、綾鷹=緑など主要ブランドのイメージカラーを設定したほか、砕いたコンツアーボトルを埋め込んだ床、米本社のオフィス環境を参考にしたコンツアーボトルをモチーフにしたグラフィックの壁、コンツアーボトルを使ったLEDライト、泡がはじける様子をクラウン(王冠)約1万500個で表現した壁、クラウン約1400個でかたどったブランドロゴなど、随所にブランドに関するデザインを取り入れ、自動ドアやトイレなどのサインにもコンツアーボトルのシルエットを採用。トータルで、コンツアーボトル約1890本、クラウン約12万個を使った。

 フロア内は、社員同士のコミュニケーションを誘発するため柱や仕切りを極力なくした空間に仕上げた。3階~7階を吹き抜け型の階段でつないだり、部門ごとのレイアウトを工夫したり、個人用ごみ箱ではなく集約型のごみ箱を設置するなど、歩行を促進し健康にも配慮。

 2階は社員食堂となる「コカ・コーラ カフェ」。席数は、テーブルやソファ、カウンター席など100~150席ほど。日替わりのメニューは200円台で食べられる料理やベーカリー、スムージーなどをラインアップ。操業初日には「金目鯛のコカ・コーラ煮」を提供するなど、自社商品を使った特別メニューも用意する。

 新社屋は環境にも配慮。外構散水やトイレなどで使う水の一部に雨水をろ過して再利用。ビル内では節水型機器を設置するなどして、ミネラルウオーター「い・ろ・は・す」(555ミリリットル換算)約431本分に当たる年間約239万リットルの節水を計画している。ガラス面を大きくとることで自然光を確保したほか、オフィスエリアの照明はLEDを全面採用し、設定照度を下げるなどしてエネルギー削減を図る。揮発性有機化合物対策として接着剤や塗料などにもこだわったという。屋上にはソーラーパネルも設置し、社員食堂の床には持続可能な森林から伐採された世界自然保護基金認証の木材を使った。

 「40年以上にわたり渋谷の地をホームタウンとして事業を展開している。この地から、数々のブランドや新商品が生まれ、ボトル会社との連携を通じてコカ・コーラシステムの発展をけん引してきた」と振り返るティム・ブレット社長。「(新社屋は)これまでの心魂を支え、今後の事業発展の礎ともなるサスティナビリティーへの決意表明を示す一つの事例」と言い、「この場所から多くの楽しさとハピネスが生まれることを期待いただきたい。多くのエキサイティングなニュースを届けられることを楽しみにしている」と話す。

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